想定整形地とは?正しい取り方・作成ルール
相続税や贈与税の土地評価において、台形、三角形、旗竿地(敷地延長)、L字型など、正方形や長方形以外のいびつな形状をした土地を「不整形地」と呼びます。
不整形地は、建物の建築や敷地の有効活用に制約があるため、整形地に比べて市場価値が低くなります。税務上の土地評価でもこの減価を反映させるため、「不整形地補正率」を乗じて評価額を減額することが認められています。
その不整形地補正率を求めるための最も基本的かつ重要な作業は「想定整形地」の作図です。
- 全地域を囲むこと: 対象となる不整形地の全ての敷地境界線を完全に内包する枠である必要があります。
- 面積最小の原則: 対象地を囲むことができる長方形(または正方形)のうち、最も面積が小さくなるものを採用します。
- 路線に接する向き: 原則として、正面路線に対して平行または垂直な2組の対辺から成る長方形を作成します。
かげ地割合の計算式と求め方
想定整形地を作成した後に計算するのが「かげ地割合」です。 かげ地とは、「想定整形地の中に含まれるが、実際の対象地には含まれていない空白部分(対象地以外の部分)」のことを指します。
かげ地割合の計算式
例えば、想定整形地の地積が200㎡で、実際の対象地の地積が140㎡の場合:
- かげ地の面積 = 200㎡ - 140㎡ = 60㎡
- かげ地割合 = 60㎡ ÷ 200㎡ × 100 = 30.0%
このかげ地割合が大きければ大きいほど、対象地は「整形地に比べて利用しにくい部分(欠落)が多い」と評価され、大きな減額補正が認められます。
不整形地補正率表の見方と評価減の仕組み
かげ地割合が算出できたら、国税庁の「不整形地補正率表」に当てはめて補正率(0.60〜0.99など)を決定します。 補正率の決定には、以下の3つの要素が関係します。
| 要素 | 概要とポイント |
|---|---|
| 1. 地区区分 | 高度商業地区、繁華街地区、普通商業・併用住宅地区、普通住宅地区、中小工場地区、大工場地区などに区分されます。住宅地区の方が補正率の幅が広い傾向があります。 |
| 2. 地積区分(A・B・C) | 敷地面積の広さによって区分されます(例:普通住宅地区ではA:500㎡以上、B:300㎡以上500㎡未満、C:300㎡未満など)。面積が小さいほど高い減額率が適用されます。 |
| 3. かげ地割合 | 10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上の階層に分かれており、割合が高いほど補正率が小さく(減額が大きく)なります。 |
間口狭小・奥行長大補正との関係
不整形地評価では、不整形地補正率のほかに「間口狭小補正率」や「奥行長大補正率」も関係してきます。 実務上は、 「不整形地補正率 × 間口狭小補正率」または「間口狭小補正率 × 奥行長大補正率」のいずれか有利な方を選択適用するなどの規定があります(最大補正限度は0.60)。